那須地区地域包括支援センター高齢者の権利を守る支援(権利擁護業務)

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高齢者の方は、身体的にも精神的にも、そして経済的にも弱い立場に置かれることが多いため、その権利が侵害されるリスクが常に存在しています。権利擁護業務は、このようなリスクを未然に防ぎ、高齢者の方の権利を守り、尊厳ある生活を維持するために欠かせないものです。

権利擁護業務の主な目的は以下の3点です。
・高齢者の方へ、自身が有する権利について理解促進
・不当な扱いや虐待の被害などの権利侵害の予防・発見
・権利保障に向けた対応

高齢者虐待の防止

高齢者虐待は、高齢者の「人としての尊厳」を傷つける行為です。高齢者の中には、虐待を受けても、声を上げられないでいる人もいます。また、虐待をしている家族などにその自覚がないことも少なくありません。早期に発見し第三者が介入することで虐待の深刻化を防ぐことができます。
高齢者虐待を発見した時や「もしかして虐待かも」と思ったら、地域包括支援センターや町保健福祉課に迷わず相談・通報してください。
また、介護する家族の負担感や困り感を軽減することで未然に虐待を予防することにもつながります。
少しの事でも、まず、ご相談ください。

高齢者虐待の定義と種類

高齢者虐待は主に以下の5つのカテゴリーに分類されます。

  1. 身体的虐待:身体に外傷が生じる、または生じるおそれのある暴力行為
  2. 介護・世話の放棄(ネグレクト):高齢者に必要なケアを怠り、放置する行為
  3. 心理的虐待:暴言や拒絶的な態度によって精神的な苦痛を与える行為
  4. 性的虐待:わいせつな行為をすること、またはわいせつな行為をさせること
  5. 経済的虐待:高齢者の方の財産を不当に処分すること、または不当に財産上の利益を得ること

これらの虐待は、高齢者の尊厳を著しく傷つけるだけでなく、健康や生活に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。

虐待防止に向けた取り組み

  • 介護する家族等の負担やストレスを担当ケアマネジャーや包括支援センターに相談することで負担の軽減やストレス解消を一緒に考え、虐待に繋がらないよう支援します。
  • 家族介護者(ケアラー)支援にも取り組んでいます。

成年後見制度の利用支援

高齢者が安心して暮らすためには、お金の管理や日常生活上の手続き・契約なども重要です。「成年後見制度」は、そのような場面において認知症などで判断能力が衰えた高齢者を支援する制度です。

わからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
また、成年後見制度相談会も実施しております。司法書士が相談をお受けしますので、利用される場合は町保健福祉課に予約をお願いします。

成年後見制度の利用の流れ

消費者被害の防止

高齢者など判断能力が衰えてくると、悪質商法や詐欺などの消費者トラブルの被害にあいやすく、狙われやすい傾向があります。
「自分は大丈夫」と油断していたり、だまされてもその自覚がなかったりすることがあります。本人だけではなく、周囲の人が「普段と変わりないか」と見守ることが大切です。何か困ったことが起きたら、早めにご相談ください。消費生活センターや警察などとも連携します。

よくある悪質商法や詐欺

  • 自宅を訪問して高齢者の不安をあおったり、親切な人を装ったりして、高額かつ不必要な改修工事や大量の商品の購入などの契約をさせられた。
  • 自宅に電話をかけて、言葉巧みに商品購入の契約をさせます。また、勝手に商品を送りつけたり、代金を支払うよう脅迫的な電話をかけてくる手口もあります。
  • 郵便やパソコン・携帯電話などへメールで、身に覚えのないサイトの利用料金などの未納を通告し、支払わなければ裁判を起こすなどと不安や恐怖をあおります。
  • 親族を語る手口だけでなく、複数の人間が変わるがわる電話をする等年々巧妙になっています。公的機関の職員を語る場合もあります。